余剰犬猫問題の構造

これは余剰ペットの構造を表す有名な模式図です。どこから発生してどんな風に流れ出て、新しい家族の元へたづりつけるのか?つけないのか?とてもわかりやすく説明していると思います。

 

国、自治体が目指す「殺処分ゼロ」は、下の一番左の蛇口を閉める事を意味します。ところが上の蛇口の水が止まらないまま下の蛇口がひとつ減れば、当然他の蛇口に来る水の量は増え、保護団体や預かりボランティアの水風船は破裂してしまいます。

 

現実に保護団体のシェルターにおいて多頭飼育崩壊が再び起こっているのです。

 

私の頭の中では、すでにこのような状態に思えます。

そこで微力ながら愛する犬猫たち、大変な努力をなさっている保護団体やボランティアの皆さん、また保護動物を家族として受け入れて下さる方々のお役に立ちたいと考えています。

 

平和で豊かな日本には、世界に誇れるものが沢山ありますが、

でもまだ「誇れない世界No.1」も多々・・・

   ●余剰ペット数 世界No.1

     ●フードロスの量 世界No.1

       ●家事をしない夫 世界No.1

 

・・・トホホですね( ^ω^)・・・

ここでは余剰犬猫問題だけを考えていきましょう。

巨大化したペット産業の蛇口、増加する無責任な飼い主の蛇口を閉められなければ、根本的解決にはなりません。

「ペットが欲しい!」なぜ?「ペットに癒やされたいから」

「ペットを買おう!」どこで?「今すぐペットショップで」

・・・これでよいでしょうか?

 

この構造を打開するために、私たちにできること

1.ペットショップでペットを買わない  

2.無責任な飼い主にならない

3.野良犬猫にエサをあげない

4.安易に「殺処分ゼロ」だけを推奨しない

5.保護犬猫は経緯やタイプを知って、マッチしたものを引き取る

 

・・・ではそれぞれについて、次に説明いたしますね。

 

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1.ペットショップでペットを買わない

 

ペットショップで売られている動物は、ペット市場で競り落とされて購入されてくるものです。それは生鮮食料品と同じようなルートです。このシステムがある限り日本の「ペット大量生産大量消費」は成り立ってしまいます。

10年20年を共に過ごす家族を、すぐに食べてしまう野菜と同じようなルートで売買するシステムを中止してもらうためには、誰もペットショップでペットを買わないのが一番なのです。

2.無責任な飼い主にならない

 

一度家族になった動物は絶対に捨てないこと。

野山に放って「自由になれよ!」とか、公園に放置して「優しい人に拾ってもらうんだよ~」なんて泣き泣き言ってもダメです。それは犯罪ですよ。どうしても手放さなくてはならない時は、愛護団体や自治体に相談しましょう。

知り合いに無理やり押し付けても、人も動物も幸せになれません。

3.野良犬猫にエサをやらない

 

「野良犬は自由で楽しそう」とか、「野良猫のいる風景はのどかで良きものだ」と思っていますか?

犬猫は野生動物ではありませんので、どうか安易に野良の存在を肯定しないでください。・・・とはいえ地域に放置されて増えてしまった犬猫・・・見殺しにしたくはありませんよね。そうした動物を個人ではなく地域で飼う方法はあります。その場合、皆で協力し避妊去勢を徹底、エサや排せつの場所を犬猫に覚えさせるなど、大変な努力が必要です。

安易にエサをやり続ければ、近親交配が促され病気の個体も増えます。地域全体に迷惑になり大量捕獲→殺処分になってしまうし、犬猫が怖いもの・汚いもの・厄介なものと世間に認識されてしまい、私たち動物愛好家が望まない社会を作る結果になってしまうのです。

4.安易に「殺処分ゼロ」だけを推奨しない

 

ペットの殺処分があるのは悲しく恥ずかしいことです。しかし現状、殺処分だけをなくそうとすれば、不正な処分業者にペットが渡ったり、保護団体が崩壊したり、不適切な里親に引き取られ再び捨てられるなどの結果を引き起こします。最初に示した模式図を参考に、上の蛇口を閉める努力をしながら、バランスを考えて行く必要があります。

5.里親は、保護犬猫のタイプや出どころを知ってから引き取る

 

ペットショップで犬猫を買わず、保護団体や自治体から引き取って下さるのは、本当に嬉しく有難い事です。

より良い家族になるためには引き取る犬猫と自分の家族がマッチしているかどうかを知っていただくのが大切と思います。

保護動物には明確にいくつかの出どころとタイプがあります。また、ご家族も大家族、小さいお子さん、高齢者世帯、単身者など様々なタイプがあり、この組み合わせがとても重要だと思います。次にこのマッチングについて考えていきましょう。